認知症に関しての学習は、介護福祉の学校でも十分ではないのが現状です。そのため、介護福祉学を学んだことのある人も、そうでない人も、介護職は、仕事の経験を踏まえつつ、系統だった学習をしていくことで、自分の経験を整理して、スキルアップをはかることができます。専門学校や大学、大学院などで、認知症ケアを含む高齢者ケアについて、学びなおすことも重要です。
そして、現任者研修である、認知症介護実践者研修を受講することも大事です。実践者研修や実践リーダー研修とその業務経験に合わせて、ステップアップできる研修制度で、認知症ケアの学習に特化した、現場で働く介護職向けの研修です。基本的に勤務先が職員の研修の一環として活用するものなので、上司と話して、まずは、実践研修を学ぶ機会をつくってもらうようにすることが大切になります。研修を受けることによって、認知症ケアの基本的な知識とスキルを学ぶことができます。
さらに、介護福祉士の資格の取得がまだな人は、まずはその取得を目指し、既に資格を持っている人は、認知症ケア専門士の資格取得を目指すという方向性もあります。これは、生涯学習の一環として現場で働く介護職が学ぶもので、勉強自体は指定のテキストを購入し、自己学習になります。年に一度行われる、資格認定試験を受け、合格すると資格を取得することが可能です。加えて、生涯学習の制度であるため、学会が提供する研修会を自分のペースで受講することで継続的な認知症ケアについて勉強する機会をつくることもできます。毎年、学習する機会があることは、自らの考え方や物の見方を広げていくことにもなるでしょう。